フケ症と脂漏性皮膚炎の違い
フケが多く発生し悩んでいるが、自分はただのフケ症なのか、脂漏性皮膚炎なのかがわからない。
皮膚科にいったほうがいいのか?そんなふうに悩んでいる人のために、この記事でフケ症と脂漏性皮膚炎の違いとその対策方法について解説します。
目次
フケ症と脂漏性皮膚炎の違いと治療方法
頭皮から出るフケには、乾燥したフケと脂っぽいフケの2種類あります。
そのうち脂漏性皮膚炎が原因のフケが発生するのは、脂っぽいベトベトするフケです。
以下で、フケ症と脂漏性皮膚炎の違いと治療方法について詳しくみてきいます。
フケ症の特徴
フケには乾燥したカサカサしたフケと脂っぽいベトベトのフケの2種類あると書いた。
そのうち乾燥が原因のフケは、シャンプーのしすぎなど、間違った頭皮ケアによる乾燥が原因です。
乾燥したフケの人は、皮脂の過剰分泌による脂漏性皮膚炎とならないためまた別のページで解説します。
通常のフケは、誰しも頭皮から発生していて、気にならないくらいかなり小さく形が左右対象なのが大きな特徴です。
一方、頭をかくとフケがボロボロとフケが落ちてきて、老けの形が左右非対称である場合、フケ症と言っても良いでしょう。
そんな、左右非対称の大きなフケが、首元の洋服にフケが落ちて目立つようであればフケ症を疑いましょう。
フケが脂でベトべトしていたら脂漏性皮膚炎につながる恐れあり
次に自分のフケが乾燥してカサカサなのか、脂を含みベトベトしているのかのチェックをします。
自分のフケがカサカサしている場合は、間違ったヘアケア(シャンプー方法、回数、選び方など)を間違えている可能性が高いです。
一方、フケがベトベトしているようであれば、何らかの原因によってホルモンバランスが乱れ、頭皮の皮脂の分泌量が過剰になっていることによりおこる脂漏性皮膚炎の可能性が高いです。
男性ホルモンには、頭皮の乾燥を防ぎ外部から守るために、皮脂を分泌させる働きがあります。
そのため男性の場合、体質的にも皮脂の分泌が多いやめ脂漏状態のフケが多いです。
一方、女性の場合は男性ホルモンが少ないので、頭皮の皮脂の分泌量が少なく頭皮が乾燥していることによって発生するフケが多いです。
頭皮の乾燥が原因のフケは、頭皮のい皮脂をシャンプーなどによって摂り過ぎたことが原因で起きてしまうため、正しい頭皮ケアを行い頭皮の皮脂の分泌量を正常な状態に戻すことで改善できます。
詳しくは以下の記事を参照してください。
シャンプーを使った正しい洗い方
育毛シャンプーと普通のシャンプーの違い
逆に、頭皮をかいたときに爪にフケがたまったり、フケが脂を含みベトベトしている人は要注意です。
乾燥したフケではなく、ベトベトしたフケの場合は対策せずに放っておくと脂漏性皮膚炎の疾患につながる恐れもあるので早めに対策が必要になります。
フケ症は脂漏性皮膚炎になる前の症状です。
フケが発生した段階で、対策すればいいが放置すると、頭皮をただれさせたりカブレや痒みを発生させるカビ菌が増殖してしまいます。
そうなると完治が難しく治療期間も長くなります。
更にそのまま放置して、症状が悪化すると抜け毛を伴う脂漏性脱毛症が発生します。
ここまで症状が深刻化しないように早めにケアが必要になってくるんです。
以下で、カサカサしている人の治療方法を簡単にまとめます。
フケがベトベトしている脂漏性皮膚炎につながるようなフケの場合は、治療方法が異なるので、ページ下の脂漏性皮膚炎の治療方法を読んでみてください
フケ症の治療方法
フケ症の治療方法は大きくわけて4つあります。
シャンプーの回数とシャンプー方法を改善
頭皮のフケがカサカサしている人は、頭皮が乾燥しているため、シャンプーの回数を減らしたり、頭皮の皮脂を落としすぎない洗浄力の弱いシャンプーに切り替えて、頭皮の皮脂量を調節していきましょう。
シャンプーを無添加に変更
ただでさえ、頭皮が乾燥によってカサカサしていて、防御が出来ない状態なので、シャンプーに含まれる刺激の強い香料などの添加物に対して敏感に反応してしまいます。
刺激の弱い無添加のシャンプーを選びましょう。
刺激の弱いシャンプーは以下で紹介しています。
食生活
野菜不足や偏った栄養など食生活が乱れると、血液の質が低下し頭皮にしっかりと栄養が行き渡らなくなります。
頭皮を作るのは血液の栄養なので、食生活の乱れも頭皮環境に直結していきます。
生活習慣
ストレスや睡眠不足は頭皮の血行不良を引き起こします。
頭皮が血行不良になると、頭皮に栄養が行き渡らずにお肌の生成やターンオーバーに乱れが生じます。
生活環境の乱れも頭皮の乾燥や肌荒れの原因の一つになります。
脂漏性皮膚炎の特徴
脂漏性皮膚炎の特徴は、脂っぽい頭皮とベトベトするフケです。
男性の頭皮は、男性ホルモンの分泌によって皮脂を分泌させるので、脂性が多いため、男性に多い病気と言えます。
脂漏性皮膚炎は、頭皮の皮脂をエサとして繁殖するカビ菌(マラセチア菌)が、大量に繁殖していき、頭皮に刺激物質を排泄することによって頭皮の肌荒れを引き起こしフケを発生させます。
一度、頭皮にカビ菌(マラセチア菌)が繁殖したら、どんなにシャンプーで洗髪しようがしようが、治りません。
病院の皮フ科で医師から処方してもらえる頭皮のカビ菌(マラセチア菌)の繁殖を抑える成分が配合された抗真菌剤を塗らない限り完治することはないのです。
脂漏性皮膚炎を放置すると、頭皮が真っ赤になり強いかゆみや湿疹、ただれ、カブレが発生するほどひどくなってしまいます。
さらに脂漏性皮膚炎を放置すると、化膿して毛穴まで炎症を起こし抜け毛が発生する脂漏性脱毛を引き起こしてしまいます。
頭皮の脂漏性皮膚炎を発症している人は、顔の小鼻の周りや耳の中の部位も真っ赤にかぶれたり、大粒のフケが発生していることが多いです。
自分の小鼻の周りや耳の中の状態もチェックしてみてください。
フケや赤み、かゆみが発生している状態であれば脂漏性皮膚炎を発生している可能性が高いです。
また、フケが乾いている場合でも、大粒のフケがボロボロと発生する場合は、白癬菌(癜風菌)にかかり頭部の水虫である頭部白癬(しらくも)の可能性もあるため、念のため早めに病院で相談し診察してもらいましょう。
脂漏性皮膚炎の治療方法
脂漏性皮膚炎の治療方法は以下の4つです。
シャンプー
脂漏性皮膚炎の人は、頭皮の皮脂の分泌量が多いため、頭皮の皮脂が過剰な状態にならないように、シャンプーを毎日するようにしましょう。
ただし、石鹸シャンプーのような強い洗浄力で洗髪しすぎは注意です。
洗いすぎによって頭皮が乾燥肌になったり、頭皮の乾燥によってさらに頭皮の皮脂の分泌を促してしまう要因にもつながりかねません。
お風呂のまえに頭皮を指で触ってみて、皮脂が付着しべとつくようであればシャンプーをするようにしましょう。
脂漏性皮膚炎専用の薬用シャンプーの使用もおすすめです。
育毛剤
育毛剤には、頭皮を殺菌する効果のある成分や、頭皮のかゆみを抑える効果のある成分が配合されています。
これらの成分が配合された育毛剤を脂漏性皮膚炎を発症している部分に塗布することで、お肌を荒れさせる細菌の繁殖やかゆみを抑えることが可能です。
殺菌効果のある有効成分グリチルリチン酸ジカリウムや、かゆみを抑えるジフェンヒドラミンが配合されている育毛剤の使用がおすすめです。
特に、脂漏性皮膚炎にいよって抜け毛が増えたと感じる人は、抜け毛にも脂漏性皮膚炎の両方に効果のある育毛剤による治療が適しているといえます。
食生活などの生活習慣
ストレスや睡眠不足は、頭皮のホルモンバランスを乱し、頭皮の皮脂分泌量を増やしてしまいます。
また頭皮の血行不良も引き起こし、血液による栄養が行き渡らなくなる、頭皮の肌荒れの治りが遅くなってしまいます。
薬やシャンプー、育毛剤の併用と同時に日常生活の改善は必ず行いましょう。
皮膚科による保険診療
脂漏性皮膚炎は皮膚科では、ステロイドや抗真菌薬(カビ止め)の外用薬(塗り薬)や、頭皮環境を整えるビタミンB群による飲み薬による治療法が行えます。
脂漏性皮膚炎の症状が軽い場合は、抗真菌剤外用薬でマラセチアを殺菌して治療していきます。
症状がひどい場合は、ステロイド剤を使用しかゆみを抑えながら治療していきます。
ただし、ステロイド外用剤は使用しすぎると、使用をやめたところでリバウンドしたり、頭皮の皮膚が薄くなることで脱毛したりと副作用が強いので注意が必要です。
ステロイド外用薬でかゆみの症状を抑えながら、抗真菌剤入りのケトコナゾール(抗真菌外用剤)などを併用していきましょう。
また、かゆみ止めや、頭皮の皮脂を抑えてくれるビタミンB群などのビタミン剤も併用できるので医師としっかりと治療法について相談しましょう。